公開日 2022/12/6 最終更新日 2023/8/21
Twitter(X)で自分の顔写真が勝手に使われた場合の対処法
Twitter(X)で自分の顔写真が無断使用されたとき、対処法としては大きく2つ考えられます。
- 顔写真のツイート(場合によっては、アカウント自体)を削除させる
- 無断使用した人物を特定し、責任を追及する
結論としては、前者(=削除)を選択するほうがメリットが大きい場合が多いといえます。顔写真が公開状態にあると、それだけで拡散のリスクがあります。また、顔写真のツイートやアカウントの削除を狙ったほうが、相手を特定するより時間がかからず労力も少なくてすむケースがほとんどです。
以下に、削除依頼と発信者特定について、もう少し詳しく解説します。
Twitter(X)運営に削除依頼する|削除依頼の流れ
削除依頼は、Twitter (X) 社に対して行います。Twitter (X) 社は、ルールとポリシーというページの中で、どのような行為が禁止事項であるか説明しています。禁止事項に該当すると認められれば、そのツイート(またはアカウント)は強制的に削除されます。
代表的な禁止事項としては、次のようなものがあります。
- なりすましアカウントの作成
- 暴力・脅迫、差別的言動のツイート
- 児童ポルノの投稿
- 顔画像などの個人情報の投稿
- 著作権違反
最も簡単な削除依頼の方法は、「違反の報告」です。ツイートにはそれぞれ、「違反の報告」をすることができるボタンが設置されています。それを使ってTwitter (X) 社に問題の投稿があることを知らせます。
他にも、ヘルプセンターの中に、事象に応じて適切な申請フォームが用意されていますので、それらを使って削除依頼を行うことも可能です。顔写真が無断で使われてしまった場合には、ヘルプセンターの申請フォームを使用するほうが、より削除されやすい傾向にあります。
発信者情報開示請求を検討する
次に、投稿者を特定して責任を問うという方法についてです。勝手に顔写真を使われたことで、何か損失を被ったり、精神的な苦痛を与えられたという場合には、投稿者に金銭の請求をすることが考えられます。これが民事的な責任の問い方になります。
投稿者を特定するには、裁判手続きを利用し、Twitter (X) 社から投稿者のアカウント情報を開示してもらい、さらにインターネットプロバイダから契約者情報の開示をしてもらう必要があります。これまで、裁判手続きを二度に分けて行う必要があったのですが、最近行われた法改正(改正プロバイダ責任制限法)により、裁判手続きは一回で済むようになりました(2022年10月施行)。詳しくは、プロバイダ責任制限法 関連情報Webサイトに情報が整理されています。
手続きが簡略化された点は大きいのですが、それでも一定の時間がかかることや、弁護士費用が数十万円(場合によっては100万円以上)かかることもあり、開示請求のハードルは決して低いとはいえません。
相手との直接交渉は慎重に(DMでの連絡など)
削除依頼や民事責任追及は、投稿者と連絡がとれる状況にあれば話が早いと思われるかもしれません。しかし、それは直接のやりとりで話ができる間柄であればの話です。つまり、関係性がすでに破綻していたり、直接の接触が逆に炎上の種になる可能性があるときには、DMなどで交渉を進めることは得策ではありません。
弁護士であっても、間に入ることで逆効果になるケースがあります。DMで連絡がとれるからとすぐに飛びつくのではなく、まずとれる手段を整理し、相手との関係性を踏まえて対応策を選択することが大切です。
顔写真の無断使用はプライバシー侵害になりうる
権利侵害①プライバシー侵害とは
顔写真の無断使用は、プライバシー侵害となる場合があります。プライバシー権には「私生活上の情報をみだりに公開されない権利」も含まれると考えられており、これは日本の最高法規である憲法の13条から導かれると考えられています。
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
憲法13条
権利侵害②肖像権侵害とは
また、顔写真の無断公開は、肖像権侵害の主張が可能です。肖像権は、「容姿などの肖像を無断で公表・使用されない権利」をいい、人格的権利としてこちらも憲法13条にて保護されると考えられています。顔画像を無断でアップされたときには、肖像権侵害を理由に削除を求めることができます。
Twitterで顔写真を晒すのは、何罪になる?
Twitte (X) rで顔画像が晒されたとき、それは民事上の問題は生じても刑事事件として犯罪を構成するかは微妙なところです。犯罪と認定することが難しい場合も多いと思われます。
ただ、その写真が公開されることで、個人の社会的評価が低下するような場合には、名誉毀損罪(刑法230条1項)が成立する余地はあります。投稿された写真や写真につけられたコメントも総合的にみて判断する必要がありますので、詳しくは法律の専門家(弁護士)に分析を求めることをお勧めします。
Twitter (X) に詳しい弁護士から一言アドバイス
Twitter (X) で顔写真が晒される被害は、最近増えています。Twitter (X) は文字情報だけではなく、写真や動画も簡単に公開することができます。そのため、悪意をもって顔写真を無断使用されることもあれば、友人とふざけて写真をアップし、その後アカウントのログイン情報を失念してツイートが削除できなくなってしまったというケースもあります。
顔写真が一度公開されてしまうと、拡散されたり、さらに悪用されるリスクもありますので、とにかく早く削除することが望ましいです。自分でヘルプページなどを参考に対応することもできますが、Twitter (X) は規約やガイドラインが膨大にあるため、必要な情報にたどり着くだけでも時間がかかってしまいます。
すぐに削除依頼をしたい場合には、まずTwitter (X) に詳しい弁護士にご相談ください。当事務所でもTwitterの相談をお受けしていますので、お困りの方は、無料相談の受付フォームからご連絡をお願いします。
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