窃盗症(病的窃盗・クレプトマニア)による万引き事件を弁護士に相談すべき理由

窃盗症を疑うべきパターンとは

・ 特にお金に困っているわけでもない

・ これ以上罪を重ねれば実刑(=刑務所行き)の可能性が高い

・ 特に欲しい物でもない

そのような状況にもかかわらず,万引きをしてしまう,万引きをしたいという衝動が止まらない,このような場合は,窃盗症(病的窃盗・クレプトマニア)を疑ってみて下さい。

ご家族の方も,どう考えても割に合わない万引きを何度も繰り返すというような状況に陥っておられる家族がいるならば,窃盗症(病的窃盗・クレプトマニア)を疑ってみて下さい。

窃盗症( 病的窃盗・クレプトマニア )は,ごく簡単に説明すると,精神疾患の影響で,万引きをしたいという衝動が止まらず,結果,何度も万引きを繰り返してしまうという症状です。私が見てきた窃盗症の診断を受けている方々の特徴としては,一見すると精神疾患があるようには見えないものの,財布に何万円も入っているのに数千円の衣服や数百円の食料を万引してしまうというのが典型的で,こっそりカバンの中に商品を入れるというような万引きだけでなく,もはや持ち去りともいえるレベルで堂々と,豪快に商品を持ち帰るようなケースも多くあります。

拒食症やうつ病などの別の精神疾患を持つ方も多いという特徴もあります。

本人に話を聞いてみると,「次に万引きで捕まった場合には刑務所に行くことになる」というのは,色々は人から散々聞かされており,重々承知しているが,いざ店に入って,「万引きをしたい」というスイッチのようなものが入ると,他のこと(逮捕されるかもしれないということや,家族にどれほどの迷惑をかけるのかということさえも)は考えられず,とにかく商品を盗りたい,そのことしか考えられないという方が多く,盗った後には,仮にそれが発覚しなかったとしても,凄まじい後悔の念が襲ってくるとのことでした。

窃盗症(病的窃盗・クレプトマニア)についての刑事手続上の扱い

このような窃盗症ですが,窃盗症であるからといって,罪ではなくなる・刑が免除されるなどということは,なかなかありません。たとえ医師による診断が明確に出ていてもそれは変わりません。

最近では,有名人が自身の窃盗症を告白するなど,徐々に,社会的にも窃盗症という症状が認知されつつあるようには思います。ただ,刑事事件の現場(警察・検察・裁判所)では,未だそこまでの理解は無く,「反省なく何度も窃盗を繰り返している」というような扱いがなされてしまうことも多いのが実情です。

とはいえ,

不起訴(=前科が付かない)となるか,罰金刑となるかというギリギリの案件

罰金刑で留まれるのか,刑事裁判になってしまうのかというギリギリの案件

実刑(=刑務所行き)か執行猶予かのギリギリの案件

執行猶予中の再犯

などでは,窃盗症という精神疾患的要素が考慮され,処罰を軽減してもらえたり,刑務所に行かなくてもよくなったというようなケースもあります。

そのために,主張し,立証していくべきは

① 窃盗症であるということ,② それを本人が自覚し,意欲的に治療していること, ③ 再犯防止策が徹底されていること 

ということになります。

窃盗症(病的窃盗・クレプトマニア)事案を弁護士に相談すべき理由とは

窃盗症事案を弁護士に相談・依頼すべき理由は,

刑事罰軽減のための主張・立証を手助けしてもらう

ということに尽きます。

例えば,窃盗症であるということを立証しようとすると,それは医者に診断書を書いてもらってそれを提出するという方法が典型的です。しかし,窃盗症を取り扱っている医師は非常に少なく,まずは医師探しに難航するでしょう。そして,仮にそういう医師を見つけたとしても,どういう風に医師にお願いすればいいのか,裁判で使ってもらいやすい書面にするにはどうすればいいのか,裁判で医師に証人として来てもらうことは出来るのだろうか,裁判官に窃盗症を理解してもらうにはどういうことが必要なのか・・・

という具合に様々なノウハウが必要になります。

この他にも,本人が症状をいかに理解し,治療に取り組んでいるのかという点を立証するのは意外と難しかったりもします。

それをサポートするのが弁護士ということになります。そして,窃盗症などに関しては通常の刑事裁判とは異なる要素が多分にあるため,相談・依頼する弁護士は窃盗症などに詳しい弁護士であるに越したことはありません。

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万引きを繰り返す窃盗症(クレプトマニア・病的窃盗)で刑務所に行かないために・弁護士に依頼する理由

万引きがやめられない方へ|窃盗症(クレプトマニア)を疑って

特にお金が無いというわけでもないのに万引きを繰り返してしまう,警察に何度も逮捕され「次は刑務所行きだ」と言われているのに万引きが止まらない,このような症状に自覚のある方,もしくは家族にその疑いがある方は,まずは精神疾患を疑ってください。

ほとんどの方は,窃盗症・クレプトマニアではないかと指摘されたとき,「そんなはずは無い」と否定されることが多いです。しかし,自分以外の人にそうではないかと思われている以上,まずは医師に診てもらうということくらいはしてみるべきです。

病的窃盗・窃盗症・クレプトマニア。名称は色々ありますが,もしそういった精神疾患から万引きの衝動が来ている場合,「意思をしっかりと持つ」とか「気の持ちよう」など,本人の努力だけでは万引きは止まりません。連続して万引きをすればするほど,刑務所に行くことになってしまう(=実刑判決)可能性は上がってしまいます。

万引きと刑事事件について

万引きというのはあくまでも通称であり,物を盗む行為は窃盗罪(刑法235条)となる行為です。窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となっており、決して軽い犯罪ではありません。逮捕されてしまうことも当然あります。

刑事罰の量刑相場

と言っても,万引きするとすぐに刑務所行きになるのかと言えばそうではありません。盗んだ物の価格,盗み方,被疑弁償等の有無,余罪といった色々な事情が処罰の軽重を決める判断要素となりますが,とりわけ大きな意味を持つのは前科の状況です。

これまでに万引き以外の前科が無いような方のケースでは,

警察を呼ばれて刑事事件化した場合,それが初回であれば多くの場合で微罪処分もしくは不起訴となり,その時点では前科とはなりません。

しかし,刑事事件化が2回目以降となると罰金刑となることが多く,さらに進んで3回目から4回目の刑事事件化となると,刑事裁判を受けることになるという流れが一般的です。

刑事裁判になったときは,1回目の刑事裁判であれば執行猶予が付くことで,実刑判決(=刑務所行き)は免れるというケースが多く,2回目以降は刑務所行き(実刑)の可能性が出てきます。前回の執行猶予判決の期間が終わらないうちの再犯というような場合には,実刑判決の可能性がかなり高くなってきます。

刑事事件と病的窃盗(窃盗症・クレプトマニア)

最近は,「窃盗症」,「クレプトマニア」,「病的窃盗」という言葉を聞く機会も増えてきたように思います。こういう病気が存在すること,万引きを止められないという症状の人がいるということが世間一般に周知されるのは良い面もあります。しかし,こと刑事事件の場においては,警察・検察・裁判所,更に言うならば被害者となる小売店においても,現状ではそこまで理解が進んでいないというのが正直な印象です。

これは,警察等が窃盗症などというものをそもそも知らないという場合だけでなく,ごく一部に刑罰軽減を狙って窃盗症を虚偽主張する人がいるという事情もあるように思います。他にも,窃盗症などでいかに精神疾患があったとしても,錯乱状態のようにまではならないことがほとんどですので,周りから見ているだけでは症状が分かりにくいという側面が病気への理解を妨げていることもありそうです。

刑事事件としては,「万引き=行ってはいけない」ということ自体は理解したうえでの犯行という点が強調され,「依存等の事情が存在するとしても,悪いことをしている認識はあったのだから処罰するべきだ」という結論に至りやすいという事情があります。

しかし,こういった実情の中であっても,自らの病的要素を認め,真摯に治療に取り組んでいるということを評価し,通常であれば実刑判決(刑務所行き)が出るようなケースであっても,執行猶予判決が出るケースが少しずつですが着実に出てきているところです。

病的窃盗(窃盗症・クレプトマニア)という事情をどう主張するか ・弁護士に依頼する意味

担当の警察官や検察官,裁判官に自分が窃盗症であること,そしてその治療をしっかりと行っていることを伝えるのは極めて重要です。しかし,単に口で説明しても,理解してくれるケースは珍しいでしょう。

最善は,窃盗症の刑事事件に詳しい弁護士に依頼してどのようにしたらよいのかアドバイスをもらいつつ,ともに裁判対策をすることです。

どういう形で,自分の思いや,自分の症状,治療への決意を伝えるのかは非常に難しい面もありますが,弁護士のアドバイスをもらって,しっかりと主張をする,弁護士からも書面を提出してもらう,そういうことが何より重要です。

刑事罰を決めるにあたって重要な役割を担う検察官や裁判官は,あなたのことについて,ほとんど何も知りません。検察官なら,取調べの時にせいぜい1時間程度話すくらいでしょうし,裁判官に至っては,裁判の日まで会うこともなく,裁判の時でもあなたと話をする時間は30分も無い場合がほとんどです。

処罰内容を決める人たちと話すことができる時間が極めて限られている状況下ですので,その話を聞いてもらえる短い時間についてはフル活用が必須ですし,加えて,それ以外の聞いてほしい事情などについては,あらかじめ用意した書面をしっかり見てもらう。そのようにして自分を理解してもらうしかありません。

どのような書面を用意するのか,どのようにして裁判官に事情を伝えるのか,この辺りのノウハウについては,弁護士によってかなり異なると考えられます。弁護士にも,こういう場合にどうしろというはっきりした教科書などはありませんので,それぞれが考え,それぞれ工夫しているというところになります。

当法律事務所では , これまで数多くの万引き事案の刑事弁護を担当させていただきました。単に法律的なアドバイスだけでなく , 万引きをしてしまうことに怯えなくてすむ生活に戻れるよう最善の方法をご提案させていただきます。無料相談はメールでも受け付けていますので 窃盗症等でお困りの方は以下のページよりお問い合わせください。

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家族が窃盗で逮捕されてしまったという方は,こちらの緊急窓口よりご連絡ください。

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解決事例①窃盗症(クレプトマニア)による再犯で再度の執行猶予  

執行猶予中の再犯となる万引きで再度の執行猶予判決となった窃盗症(クレプトマニア)事案

【依頼前の状況】

お金は十分にあり,食べ物に困っているような状況でもない,そのような状況下で,過去に何度も万引き(窃盗)をしてしまい,何度も逮捕され,執行猶予判決を受けていた方が,その執行猶予期間中に,再び万引きで逮捕されたとのことで,ご家族がご相談に来られました。逮捕された方は,拒食症等の症状もあり,体調にも不安があるため,このまま長期間,留置場での生活をすると体力的にも心配という状況でした。

【依頼を受けてから】

まずは早期の身柄解放が必須であると考えました。そこで,ご家族の方々に,身元引受け書や,家族で面倒を見るという宣誓書などを用意してもらい,それを持って,私から,裁判官に「本人が釈放されても家族が面倒を見る」ということなどを中心にアピールをしました。その結果,検察官の勾留請求はみとめられず,警察署に一泊しただけで釈放となり,まずは自宅に戻ってもらうことができました。

 これは,家族の方が,逮捕されて早々に相談に来ていただいたおかげで,裁判官が勾留決定(10日間留置場にいなさいという決定)をしてしまう前に,裁判官を説得できたことが大きいです。警察署の留置場に少なくとも10日間入るのと,1泊だけで出られるのでは,仕事面・健康面などあらゆる面で大きく異なるであろうことは明白です。

ただ,一旦釈放となっても事件は終わっていません。

今回のケースは,執行猶予中に同じ罪を犯してしまった(執行猶予中の再犯)というケースであり,このまま反省だけを述べて裁判を受けても,実刑判決(刑務所行き)が出る可能性が高いケースです。

今回のケースでは,「特にお金に困っていない」「刑務所行きになるということが分かっていても,盗りたいという思いを止めることができない」「拒食症の症状がある」というような事情がありましたので,単純に物欲しさによる窃盗ではないということが明白でした。加えて,過去に私が見てきた窃盗症を患っている方々との共通点も多々あったことから,この方も窃盗症(クレプトマニア)なのではないかと考えました。

そうはいっても,医師ではない私が勝手に窃盗症(クレプトマニア)を疑ったところで仕方がありません。まずは専門医に診てもらう必要があります。

しかし,窃盗症を専門にしている精神科医の数は,患者の数に比して極めて少なくで,ようやく医師を見つけたとしても,患者の予約がいっぱいで,なかなか診てもらえないというのが実情です。

そのような中,なんとか専門医を紹介し,診てもらうところまでこぎ着けたところ,やはり窃盗症(クレプトマニア)という診断が出ました。そこからは,週に一度の「通院」・「自助グループミーティングへの参加」・「家族同伴以外では外出させないような仕組みづくり」などを徹底してもらうようにしました。

その後に始まった刑事裁判では,そういった治療内容や,再発防止に向けた取り組みなどを報告書にまとめて提出し,加えて,ご家族にも裁判所に出てきてもらい,証人として裁判官の前で,徹底した監督を約束してもらうなど,できることは徹底的に行いました。

そういった活動が奏功し,執行猶予中の再犯でありながら,「再度の執行猶予判決」を勝ち取ることができました。

判決で,裁判官が「できることはやり尽くしている」と評価してくれたことが印象に残っています。

この方は,判決後も治療行為や再犯防止策をを継続しており,判決から数年経過していますが,今も平穏に暮らしておられます。

もっとも,窃盗症(クレプトマニア)は,完治が難しいとされ,とにかく継続した治療が重要と言われています。実刑を回避でいたからといって,気を抜くことなく,治療に励んでいただきたく思っています。

【窃盗症にまつわる更なる問題】

窃盗症(クレプトマニア)をめぐる刑事事件は,問題点がかなり多いというのが実情です。

「裁判の時に,せっかくもらった診断書を裁判官に見てもらえないことがある」

検察や警察は『窃盗症』という病について,極めて限定的に捉えている」

という事情などは,いざ当事者となると,嫌というほど大きな壁となって立ちはだかります。

これらの問題点については,またの機会に紹介させていただきます。