窃盗症(万引き依存・クレプトマニア)と刑事裁判①|弁護士解説

公開日 2023/6/5 最終更新日 2023/10/3

窃盗症(万引き依存・クレプトマニア)などの精神疾患が原因で万引き行為に及んでしまい,刑事事件(警察沙汰)になってしまったとき,はじめの数回は不起訴や罰金刑となって,刑事裁判までには至らないことが多いといえます。しかし,万引き依存の状態から抜け出せずに何度も刑事事件になっていると,いずれは刑事裁判になってしまいます。

刑事事件になってしまった時は,刑務所行きが現実的になって来てしまいます。

自らの主張・こちらの言い分をきっちりと話していく必要があります。そして刑事裁判になってしまった時は,より一層,どのような主張を展開していくのかが大切になってきます。

窃盗症(万引き依存・クレプトマニア)と分かってもらえたら無罪???

万引き依存に陥っている方の場合,既に精神疾患での通院をされている方も多く,摂食障害,双極性障害,うつ病,注意欠陥多動性障害などという診断を受けている方もおられるところです。

その他,医師の専門性や当人の状況などにもよりますが,「窃盗症」であるとか「病的窃盗」という診断が出て,診断書をもらえることもあります。

では,そのような診断書がもらえたのであれば,それを裁判所に提出することで,裁判所が窃盗症と理解してくれ,刑事裁判では無罪になるのかというと,それはNOです。

どれだけ病状が重いのかという点も関連してはきますが,基本的には

「窃盗症だから無罪になる」ということはありません。

むしろ,裁判官から「窃盗症だから仕方ないでしょ」というような開き直ったような態度であるとみなされてしまうと,窃盗症の主張自体がマイナスになるという場合もあり得るところです。

窃盗症であるという点をどう主張していけばよいのか

ただし,窃盗症という主張がマイナスに働くかもしれないので,そもそも主張をしないというのは,間違いです。

刑事裁判では,裁判官は検察側か弁護側がした主張やそれに基づく証拠からしか判断はしません。

裁判官がこちらの病状を確認するために病院に問い合わせたりというようなことはあり得ません。同じように,警察や検察が,こちらの精神疾患について調査をしてくれるというようなことも,ほとんど期待できません。

そのため,こちらが何も主張しないでいると,裁判官は窃盗症やその他の精神疾患については何も知ることの無いまま,窃盗症などの精神疾患は無いものとして判決を作ってしまいます。

では,どのように主張していけばよいのか。

これは弁護士によって様々なやり方があり,ノウハウの見せ所というところになってきます。

最も重要なのは,窃盗症であるという主張だけするのではなく,「いかにして再犯防止のための行動をとっているのか」という点とセットにして主張するということになります。

大事なのは,裁判官に窃盗症であると認めてもらうことではありません。裁判官に理解してもらうべきは,再犯防止のためにどれだけの具体的な対策を実施・継続しているのかという点になります。

より具体的に,どういう主張がいいのかという点については,【 窃盗症(万引き依存・クレプトマニア)と刑事裁判② 】で案内します。

窃盗症はすぐに専門の弁護士にまでご相談を

家族が窃盗症で逮捕されたという方,自分が窃盗症で捜査対象になっているという方は,すぐに専門の弁護士までご相談ください。窃盗症は,単に法律的な問題を解決するだけでは不十分で,場合によっては医療機関との連携により根本的な解決を目指す必要があります。その人にとって,どのようなケアが必要かを総合的に判断する必要がありますので,窃盗症でお悩みの方は同種事例の解決実績が豊富な弁護士に相談されることをおすすめします。

当事務所では,窃盗症という特殊事例についての解決実績が豊富にあります。お困りの方は,こちらからお問合せください。

無料相談は24時間いつでもお申込みいただけます。
無料相談のご案内
無料相談は24時間いつでもお申込みいただけます。
無料相談のご案内