公開日 2023/4/4 最終更新日 2024/11/11
刑罰は回数を増すごとに厳しくなる
窃盗症・万引き依存症・クレプトマニアは、本人の意思だけでは万引きがやめられない状況です。そのため、どれだけ反省していたとしても,どれだけ家族に迷惑がかかると分かっていても、何度も万引きをしてしまい,何度も警察に捕まってしまうことになります。そして、警察に捕まって刑事事件化する回数が増えれば増えるほど、刑事罰は重くなっていってしまいます。
窃盗症の治療をして、再び万引きをしてしまわないようにする。それが何よりも大切であり、目指すべきところであることは当然です。しかし、それでも万引きをしてしまった場合、今後の人生を踏まえてとにかく刑事罰が軽くなるようにすることはとても大切です。
刑務所に行ったから、罰金を払ったから、反省して再犯しない。そういうものではないのです。
とはいっても、刑罰は回数が増すごとに厳しくなります。現時点で刑務所に行く可能性までは無くとも、万が一、再び万引きに及んでしまえば刑務所に行く可能性があるという状況はよくあるところです。
本人の意思だけでは再犯を防ぎきれないという窃盗症については、再犯の可能性も考えたうえで、毎回の刑事罰の少しでも軽くなるようにする,将来にわたって刑務所行きとなる可能性を少しでも減らすという観点が必須となります。
「今回は執行猶予判決か罰金刑だろうから,刑事裁判にもそんなに力を入れなくてもいいだろう」というような考え方は、後に大きな不利益となって激しく後悔する可能性があります。
刑事裁判ではどのような主張をしていくべきかについては
「窃盗症(万引き依存・クレプトマニア)と刑事裁判①|弁護士解説」
をご覧ください。
万引き事件での刑事罰の相場
万引きがやめられないというような窃盗症(万引き依存症・クレプトマニア)では、多くの人が複数回の警察沙汰(逮捕や在宅での取調べ)を経験することになります。
通常、数千円程度までの万引きであれば、初犯の場合は書類送検も無く厳重注意で終わり、2回目以降は書類送検されてからの不起訴処分となることが多くなります。3回目以降となると、罰金刑となる可能性が高くなり、罰金刑の前科がある状態で検挙されてしまうと刑事裁判となる場合が多いといえます。
刑事裁判も、初めての刑事裁判であれば執行猶予が付くことがほとんどであり、とりあえずは刑務所に行くようなことにはなりませんが、執行猶予中の再犯や、執行猶予があけていたとしても10年も経過していないような状況の場合は、実刑(刑務所に収監)という可能性が出てくることになります。
ざっくりとした刑事罰の相場を整理しますと
警察沙汰になるのが2回目以降の場合は罰金刑の可能性があり、
一度罰金刑を受けている場合に再度警察沙汰となったときには刑事裁判となる可能性があり、
刑事裁判が2回目以降という場合には刑務所行きの可能性がある
ということになります。
重要なのは、その時々の状況に応じて、極力
罰金刑とならないようにすること
刑事裁判にならないようにすること
です。
一度刑事裁判を受けるようなことになってしまうと、この先10年程度は「次は刑務所行き(実刑判決)」という状況のまま過ごさないといけなくなってしまいます。
少しでも刑事罰を軽くするにはどうすればいいかについては
「窃盗症(病的窃盗・クレプトマニア)による万引き事件を弁護士に相談すべき理由」
をご覧ください。
窃盗症・クレプトマニアに詳しい弁護士に相談する
窃盗症・クレプトマニアは単なる窃盗事件とは異なります。病的症状改善のために、ケースによっては専門の医療機関やカウンセリング機関と連携して更生を図る必要があります。窃盗症で刑事事件になっている方は、まずこの症状に詳しい弁護士に相談されることをおすすめします。
当事務所では、窃盗症・クレプトマニア事件に力を入れており、この分野に詳しい弁護士が事件を担当(相談を担当)させていただきます。一人で悩むことなく、まずはお気軽に当事務所までお問合せください。