公開日 2025/6/14 最終更新日 2025/6/14
はじめに
Google ビジネスプロフィール(旧 Google マイビジネス)のクチコミは、店舗や企業の集客・信用を左右する重要な指標です。しかし、誹謗中傷や虚偽の投稿、悪質な“星1”だけの嫌がらせ評価などが放置されると、売上だけでなく採用や取引にも深刻なダメージを与えかねません。そこで本稿では、「どのようなクチコミが削除対象になり得るのか」「専門家を交えた法的対応がなぜ重要なのか」を解説します。
1. Google が公式に削除するクチコミとは
1-1. ポリシー違反の具体例
Google は「禁止および制限されているコンテンツ」ポリシーを公開し、以下のような投稿を削除対象に定めています。(support.google.com)
- 虚偽または体験に基づかない内容
- 第三者になりすます行為
- インセンティブ(クーポン・金銭)と引き換えに投稿を求める行為
- 差別・ヘイト、露骨な暴力表現、わいせつ表現
- 個人情報や機密情報を含む投稿
1-2. ポリシー違反の申告方法
削除したいクチコミを Google マップ/検索から選択し、メニューの「問題を報告」→「クチコミを報告」を送信します。審査は数日~数週間で結果が届きます。(support.google.com)
ポイント
- 証拠保全:スクリーンショットを保存しておく
- 複数名での通報:同一アカウントでの大量通報は無効。複数の従業員・取引先に協力を依頼
2. 法的に「違法」とされるクチコミの判断基準
主な法的根拠 | 適用され得る場面 | 想定される手続き |
---|---|---|
名誉毀損罪(刑法230条) | 虚偽または不要に過激な事実を摘示し、社会的評価を低下させる投稿 | 刑事告訴・告発、損害賠償請求 |
業務妨害罪(刑法233条) | 嘘のクチコミで営業を妨害 | 刑事告訴、営業損害の民事請求 |
侮辱罪(刑法231条) | 根拠なく「最悪」「詐欺師」等の罵倒のみ | 刑事告訴・慰謝料請求 |
不法行為(民法709条) | 上記各罪の民事的側面(慰謝料・落ちた売上の補填) | 民事訴訟 |
各ケースの要件や量刑の目安は、弁護士による判断が不可欠です。
3. 「違法か微妙」「星1だけ」のグレーゾーン対策
3-1. コメント付き→事実認定がカギ
内容が事実であれば名誉毀損は成立しにくい一方、細部に虚偽が含まれる場合は違法性が高まります。実際の診療記録・取引記録などを突き合わせ、真偽を検証したうえで削除請求や損害賠償を検討します。
3-2. コメントなし星1評価
Google は「評価だけ」は原則ポリシー違反とみなしておらず、削除は困難です。
それでも放置してはいけない理由
- 平均評価の低下により検索順位・クリック率が下がる
- 短期間に複数の星1が集中すると スパムパターン と検知される可能性が高まり、自動削除が通る場合も
3-3. 弁護士の見解が有用な理由
- 証拠化のサポート:ログの保全、スクリーンショットの証拠化
- 裁判所への迅速な手続き:後述の「発信者情報開示命令」の手続き
- Googleへの削除請求(法的問題の報告)
4. 発信者情報開示命令と仮処分
2022 年改正プロバイダ責任制限法で新設された 発信者情報開示命令 を使うと、サイト管理者→接続プロバイダの2段階を1本化し、最短1か月程度で投稿者の氏名・住所を取得できます。
取得後は、①損害賠償請求、②刑事告訴、③和解交渉のいずれかを選択。並行して、仮処分 を申し立てれば投稿を一時的に非表示にできる可能性もあります。
5. 弁護士に依頼する4つのメリット
- 違法性の即時判断 – 名誉毀損・業務妨害などの成否を無料相談で把握
- Google への削除申請精度アップ – ポリシー条項を具体的に引用した申立書を作成
- 投稿者特定ルートの確保 – 発信者情報開示命令やログ保存命令をスピーディーに併用
- 再発防止策の構築 – 社内モニタリング体制や返信テンプレート整備を支援
6. 削除までの一般的フロー
- 社内一次調査(事実確認・証拠保全)
- Google へのポリシー違反申請(同時に弁護士へ相談スタート)
- 弁護士による違法性評価と削除請求
- 削除不成功の場合
- 発信者情報開示命令 → 投稿者特定
- 仮処分・訴訟提起 → 投稿削除・損害賠償へ
- 再発防止・評価回復策の実行(返信ガイドライン、正当な口コミ依頼など)
まとめ
悪質な Google 口コミは「放置=損失拡大」につながります。違法投稿への迅速な削除申請はもちろん、違法性がグレーな評価や星1だけの嫌がらせでも、法的観点を踏まえた対応が不可欠です。
Google口コミでお困りの際は、まずこの分野に詳しい弁護士までお問合せください。無料相談を活用し、解決までの選択肢を明確にしましょう。射場法律事務所では、Google口コミの法的アプローチはもちろん、Googleのシステムを応用した技術的解決方法でも支援が可能です。「自分で削除しようとしたが、うまくいかなった」「他の弁護士に依頼したが、削除できなかった」という方でもご相談をお受けいただけます。まずはご事情をお聞かせください。